1月制限~ブロック予選・選考会の振り返り

こんにちは

前回のリンクスの記事を除けば丸々1年振りの更新となってしまいました。選考会シーズンは元々書くつもりが無いので去年の選考会終了から店舗予選開始辺りまでに更新がなかったということは残念ながら大して勝てなかったということになります。

 

ファイアウォールドラゴン規制以降の遊戯王はとにかく環境に存在するデッキの種類が多く、どれも強力な物です。

 また「どうせ先攻ワンキルや全ハンデスの劣化だから・・・」と放置されていた様々なデッキの開拓が一気に進み、目まぐるしく環境が変わっていくこととなりました。

それに伴ってデッキの立ち位置が数週間単位で変わりやすく、自分にしては珍しくころころとデッキを変更した半年になりました。

今回の記事は店舗予選開始(ファイアウォールドラゴン規制辺り)から選考会までの環境を、使ったデッキについての解説やデッキ変更の経緯などを簡単に挟みながら振り返っていこうかと思います。

当時の考えをなるべく思い出せる限り書いているので現在のセオリーなどと大きく異なるところなどはあると思いますがよろしくお願いします。

 

 

 

12月下旬

遂にファイアウォールドラゴンが禁止になり、環境に存在し続けた閃刀姫やオルターガイストに対してかなり厳しめの規制を行うなど環境全体に大きなメスを入れた改訂となりました。(ちなみにキャンディナはこの時に準制限になってます)

この頃の周りのプレイヤーの調整内容を見ると、恐竜サンダーや列車など様々なデッキが選択肢として挙がっていたように思います。

そんな中で自分の候補にあったのは魔術師と魔弾でした。

今思うとこの世の終わりの様な2択なのですが、LVP2にてひっそりと登場した魔弾の新規「魔弾の射手 マックス」はまさに初動以外の全ての問題点を解決してくれたといっても過言ではないモンスターであり、実際に転生炎獣や列車に対する勝率は悪くなかったものの、チームメイトf:id:mskmktlove:20190627033206j:plainから「さすがにやめてくれ」と苦言を呈されたのもあって魔術師を選択することになりました。

魔術師はついにクロノグラフマジシャンにまで規制が入り1枚が2枚になるペンデュラムモンスターが更に減少、またアストログラフマジシャンが絡む展開パターンまで削られたため去年の今頃が嘘の様な大幅な弱体化となりました。

しかしながらヴァレルロードSドラゴンのような新規を迎えつつ深淵に潜む者の強さも健在であるため、対抗馬になり得る展開デッキの崩壊や閃刀姫やオルターガイストの弱体化により相対的な立ち位置は大きく変化していないように感じます。

 

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とそんなことを語りながらこんな感じのを使ったんですが結果から言うと改訂の波を全く耐えることができず転生炎獣と閃刀姫にしばかれて爆速で0-2。新しく登場したテーマに対する認識が甘いという自分の駄目なところが出てしまいました。

構築に甘いところはあったものの、さすがに良いデッキ選択ではないことは明らかだったので、1年以上に渡って使い続けたデッキでしたが遂にお別れすることになりました。

 

 1月上旬

そしてその次に触ったのがサブテラーです。
ここだけの話負け越さないのが目標だったので4-2はできそうなデッキを選びました。

 

サブテラーは去年のグランドにも持っていったデッキなのですがなにせグランド前にちょっと触っただけでそれ以降も結局また魔術師を触っていたし、環境自体が大きく変わっていたのもあってほぼ0から考え直すことになりました。とはいえ簡単なデッキなのでそこまで苦労はしませんでした。

 

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 サブテラー1発目に出たCSは運が良く7-1で1億年振りに優勝。

改訂が出て2週間程度にも関わらずこの頃には既に転生炎獣のシェアがトップになっていました。ディンギルスがまだ登場していなかったということもあり次点には恐竜サンダーが続く形でした。

 

一応いるかCSの後もCSに出たものの恐竜サンダーにボコボコにされて帰宅しました。

敗因は非常にシンプルで、センサー万別の効きがいまいちな恐竜サンダーに対してシャンバラを引くことができず攻め手を凌ぐことができなかったことと、エアトスのブリリアント型の恐竜サンダーの先攻展開を閲覧したことで、サブテラーの初動の少なさと後手の弱さが課題として浮上します。

 

このCSの後に新弾がすぐ出たのですがこれ以降全くCSに出ず家に引き籠ってたのでこの月は特に書くことはないです。

 

サブテラーについて


自分が考えるサブテラーの強みとして挙げられるのは以下の3点です。
1.メインギミックが強固であること

2.それなりのパワーを持ちつつメタ外に居がちなこと

3.簡単

 

1に関して、10期のテーマはメインギミックが非常に強固でリソースがループするものが多く、その中でもたちが悪いのが妨害を敷ける回数が有限でないデッキです。

転生炎獣・オルターガイストがその代表的なデッキで、サブテラーもその内の一つとなります。

この手のデッキは同じ妨害を構え続けるだけでなく、妨害をどんどん増やしていくことが可能なので一度手数で負けてしまうと相手の妨害数を上回ることができず一生盤面を崩すことができません。

 

2に関して、サブテラーは影霊衣環境のクリフォートに近い立ち位置です。

増殖するGやファンタズメイのような本来であれば泣いて喜ぶようなカードもサブテラー相手に引いてしまうと一気にお通夜になってしまいます。展開を通せば勝ちのデッキが環境に存在し続けている以上この立ち位置が大きく変わることはほぼ無いでしょう。

サイド後においても、無限泡影やエフェクトヴェーラーなど効力がいまいちなカードを抜き切れずメインデッキに残されがちです。

 

3に関して、妨害の当て所を間違えたりすると普通に負けるので簡単というと語弊がありますが他のデッキと比べると圧倒的に簡単です。

サブテラーを簡単にしている要因として「2つの単純さ」があって、

1つ目は初動の単純さです。

基本的な動きは導師・決戦・妖魔の3点セットを揃えるだけなのでサブテラーを使って1ターン目の動きに悩む人間はまず居ないでしょう。
2つ目はゲームの構造が単純になりやすいことです。

サブテラーは強い永続を多く採用できるので永続を貼る→それを守るといったイージーウィンが発生しやすいです。

  

使い始めた際懸念していた閃刀姫との相性ですが、カガリが1枚になったことにより
戦闘破壊で閃刀姫を解決しやすくなったことと、妨害が追い付くようになったことが大きいです。
勅命などのイージーウィン要素もありますし、マルチロールにだけ気を付けていれば昔よりはかなりマシになった方だと思います。

 

・強欲で貪欲な壺について
これは当時の環境的な要因から採用したわけではなく、現在サブテラーをまた使うとしても入れるかもしれないです。
サブテラーはそもそも初動が少ないデッキなのでこの手のカードは非常に貴重です。
シャンバラを探しにいけるのは勿論、導師のラグを罠の物量で補うことを狙えます

いわゆるゴードンの”とび”に関しても、サブテラーは妖魔、決戦+リグリ、導師の3つの妨害の軸があるので妨害が敷けなくなるリスクは限りなく低いです。

そもそも初動があるなら必要なカードをサーチしてから打つだけですし、無いならそのぐらいのリスクは背負った方がいいと思ってます。

 ・サイド

サイド後のゲームでまず最初に思い浮かぶのはパンクラトプスとレッドリブートでしょう。サブテラーはまだマシな方ですが噛み合い次第ではゲームが大きく傾く原因になってしまうので罠の採択はこの辺りをなるべく意識する必要があります。

個人的に罠デッキが使う墓穴の指名者はかなり気に入っているカードで、パンクラと1:1交換できてリブート下でも妨害として敷け無駄がありません。またうららやうさぎが辛いハンドがどうしてもあるので、サブテラーがサイド後抱える問題にマッチした攻防一体のカードと言えます。

 

あと見落としがちなルールをいくつか

・決戦の攻守アップ効果はバフもゲインも打ち消すので墓地に1億枚魔法が落ちててシズクが居ても導師の打点は3400

・シャンバラの③の効果はひっくり返すのがメインなので攻撃を無効にしなくてもいい

・センサー中のγはγ適用後墓地に送る方を選ぶ

・決戦はプロトコルと違って、残念ながらγなど発動を無効にする効果を弾くことはできませんが、例えば妖魔チェーン墓穴チェーン決戦に対して墓穴を一億枚発動しても妖魔の効果が通ります。

 

 

2月~3月上旬

 この頃ADSのレート戦が復活したのでよくやっていたのですがマッチ単位でどうしようもない事故を起こすことが多々あり事故が気になってきます。また環境的な要因も悪く、転生炎獣がどんどんシェアを伸ばしオルフェゴールも台頭するなど後手の弱さが致命的になり始めます。

そんな中で、転生炎獣についての知識が足りていないと感じたので転生炎獣を自分で触ってみることにしました。サブテラーの動きは単純とは言ったものの、やはり罠デッキである以上相手のデッキについての知識が無ければ正しい妨害の打ち方はできません。

 

 

 そんな中で次に迎えたCSですが、当時ノリノリだったエアトスくんに乗っかかる形で優勝。サブテラーの為に触り出した転生炎獣でしたが、別にこのデッキで良いなと感じそのまま乗り換えてしまいました。

この頃には転生炎獣のテンプレも固まっており転生炎獣全体でミラーを意識した構築が主流になっています。しかしながら、後から乗り換えるプレイヤーが多かったこともあり構築の最適化のスピードに対し転生炎獣を使用したプレイヤーのレベルはまだまばらであるように感じました。

 

 

はっちグランド以外の個人戦に出たのは虹彩3枚のアストロが連打できた時代が最後だったので約一年ぶりの個人戦でした。サイドが地雷デッキを意識して組んでいますが、メインはミラーを意識していたので見事に一本目を落とし続けています。

このCSの収穫としては、ガメシエルの感触が思いの外良かったのと対サンダードラゴンを考える必要性を感じたことでしょうか。

 


転生炎獣

転生炎獣は間違いなくこの半年間における勝ち組デッキの1つでしょう。
特に初期の段階でこのデッキを触ることができたプレイヤーは相当勝ったのでは無いでしょうか。
中期ではメタの集中砲火に合いその中でミラーの大量発生もあり勢いを落としますが、後期では大流行した魔鍾洞への優位性から再評価されその流れで構築の最適化が進み再び返り咲くことになりました。(転生だけに)

 

ちなみにこの時期のペンデュラム相手のサイド後は後攻を選択していました。

これは何故かというといくつか理由があって大まかな理由は以下の3点です。

1.転生炎獣の敷ける妨害の都合
2.ペンデュラム側のサイドチェンジの都合
3.無限泡影の都合

 

1に関して、基本的に妨害を敷くのに2枚必要なのでメインギミックで妨害が置けるかという点では転生炎獣には多少ムラがあります。いつものウルフスタリオジャガー+ヴェーラーの展開なんかは、ミラーならともかくペンデュラム相手はやや不安が残ります。

しかしながらヒートライオに辿り着きつつそれを連打することは容易なので誘発で止めつつスケールを削れば実質ヒートライオが2妨害になっているという考え方をしています。

ペンデュラムテーマとの戦いでぐだると転生炎獣側が絶対勝つのでペンデュラム側は短期決戦を狙ってきます。特にセフィラが顕著ですが猿のようにガイザーオトシオヤとヴァレルソードワンキルしか狙ってこないので、モンスター数を削れない先攻の妨害は物量で押し切られる不安が残ってしまいます。

2に関して、ペンデュラム側は基本的に後手の際のサイドチェンジはかなり身を切ったチェンジをしがちです。

具体的なところで言えば、この頃の多くのセフィラは転生炎獣相手の後手で竜星の九支のようなカードを抜いています。これは前述したガイザーワンキルしか狙っていないからで、サイド後のセフィラのデッキには妨害を釣るペンデュラムモンスター、本命のトルドー、それを補助するリブートのようなカードしか入っていません。

このような状態で先攻を渡されるとどうなってしまうかは想像に難くありません。事故の確率が跳ね上がるのもそうですが、展開が通っても妨害の最大値が落ちる場合が多いです。

 

3に関して、例として対魔術師を想定してみます。
まず、魔術師側が嫌な誘発を考えます。去年の魔術師に関する記事に書いたのですが、基本的にPSYフレームギアγか無限泡影はかなり嫌な誘発です。
これは何故かというと、上記のカードは墓穴の指名者で弾くことができないのでほぼ確実に前の妨害を弱くされるのと墓穴がここで腐ってしまった場合単純計算で残りの2、3枚で攻め手を通す必要があるからです。
しかし先攻になると一番弱い妨害は無限泡影です。置かないといけないことによる弊害が非常に多く、後手のサイドカードの代名詞であるパンクラトプスやレッドリブートに対してあまりに無力です。

先では弱いが後では強い この辺りの矛盾を解決するための後手を選択していました。

 

※しかしこのプランは知られているとあまりに無力で1度見せた相手には無駄な読み合いが発生してしまいますし、特にベイゴマ規制後の転生炎獣は多段攻めが難しく九支一枚すら越えるのが辛い場合があり、万が一残っていたときに苦しいゲームになることから「大人しく先攻を取る、先攻後攻で効力がぶれ辛い誘発をなるべく採用しておく」という考え方になりました。

 

 

・対サブテラー

まずゲーム全体として意識することは手数です。
対オルターガイストにおいてもそうなのですが、手数で負けた瞬間相手の妨害を絶対に崩せなくなるので妨害をもらっても何かしらのアクションが続くように意識して動きます。

 

3月中旬~4月上旬

今回の改訂では転生炎獣の初動が削られたぐらいで、緩和組も多かったものの緩和が原因となった大きな環境の変化は見られませんでした。

 

相変わらず新制限1発目のCSは転生炎獣がトップシェアです。この段階でシェア自体に大きな変化は見られなかったものの水面下では大きく環境が動きつつありました。

 

具体的な契機はわかりませんが関西ではこの辺りから我聞(@tera_0201) というプレイヤーを筆頭に、シェアの母数こそ少ないものの純サンダードラゴンの入賞が目立ち始めました。特にこの我聞(@tera_0201)さんは関西で出場したCSのほぼ全てに入賞しており後に自らの調整グループを「雷龍会」と名乗るなど相当イケイケであったことが伺えます。

 環境的にもメインにファンタズメイとDDクロウをフルで投入したデッキも珍しくなく、この二つの誘発が痛手になり辛いサンダードラゴンにとってはまさに天国の様な環境であったのは想像に難くありません。

一方で転生炎獣は各デッキからメタの集中砲火を浴びており、それでいてミラーを意識しなければいけない板挟みの状態になっていました。

特に最悪だと感じたのが当時エアトスが作ったクリッター型のオルフェゴールで、これは後にイヴ型の登場もあり廃れたものの、転生炎獣の誘発手裏剣に対してはかなり画期的な型だと感じました。

 

https://twitter.com/h

 

そして数日後には遂にオルフェゴールのシェアが転生炎獣に一気に迫り、遂には転生炎獣をトップシェアから引きずり落とすことになりました。最終的に転生炎獣のシェアは第6位になってしまうなど関西全体ではどんどん転生炎獣が減っていき、一方でオルフェゴールがシェアを伸ばし続けました。

 

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そんな中で僕も例に漏れず転生炎獣の評価が下がり、3月末に行われた市内杯を最後に4月になる頃にはサンダードラゴンに乗り換えていました。

乗り換えた一番の原因としてはオルフェゴールに対して思うように勝率が出せなかったことです。この頃のオルフェゴールはライトステージや影依融合がフルで投入されていることも珍しくなく、これらのカードに対して魔封じ+勅命の4枚で受けるというのが転生側の主流でしたが、ドローソースが無い転生炎獣において4枚しかないカードをプランの主軸に据えることほど危険なことはないと考えていたので先攻にどうしても不安がありました。かといって後攻を選択しても誘発を貫通されたりGやファンタズメイでいなされることも多く完全に行き詰まっていました。

 

一方でサンダードラゴンというデッキは増殖するGとファンタズメイをいなしやすく、ドローする機会が多い分サイドカードに触りやすいというまさに転生炎獣が抱えていた問題と真反対の強みを持ち、当時としてはかなり魅力的に見えました。また、雷神の効果で墓穴を無視して誘発を通すことができるので誘発を「引きやすい・通しやすい・受け辛い」の3点を兼ね備えたこのデッキは、誘発を投げ合う環境において一歩抜きんでた存在であるといえます。


しかしながらサンダードラゴンはっきり言ってかなり難しい部類のデッキであり、自分1人で基礎的な部分を身に着けるに至りませんでした。

したがって、単純に自分の知識量が足りないこと、自分に辛うじてある知識が人からの伝聞が大半を占めることから、サンダードラゴンについて特に書くことはしません。

 

4月中旬~GW終了まで

 3月末にサンダードラゴンに乗り換えたとはいったものの、一人回しで動きを確認するぐらいで、GW前までのほぼ1ヵ月CS会場に顔すら出していませんでした。

そうして一ヶ月ぶりにCSに出た頃には、またも大きく環境が変化していました。

 

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まずこの時期の大きな環境の変化の一つは、皆さんご存知の通りイヴ型の登場です。

この型はイヴを展開に挟むことで守護竜を場に引っ張り出しマーメイドに対するヴェーラーや無限抱影をケアしたり、単純にリンク数を稼ぐことでアポロウーサを立て各種手札誘発をケアしながら展開を行うといったものです。

これまでにも様々な発展を続けてきたオルフェゴールでしたが、これは今までのものとは比にならないレベルで凄い発見だと思っています。

これによりG以外の誘発への信頼が一気に落ち、対オルフェゴールの見直しの必要が出てきます。

 

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そんな中で現れたのは、魔鍾洞を搭載した閃刀姫とオルターガイストです。

オルフェゴールはスロットの都合上表側の魔法・罠に触るカードを多く持たず、自分フィールド上のモンスター数を0にできない為他のデッキと比べると圧倒的に魔鍾洞耐性がありません。これによってサベージやクリマクスの上からどこかで魔鍾洞を通せば捲りが発生するということが起こり始めました。

また魔鍾洞の大流行とオルフェゴールの発展から、以前から使用していたプレイヤーを残しサンダードラゴンは緩やかな衰退を見せます。

 

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そこでまた息を吹き返したので転生炎獣で、アポロウーサの登場と魔鍾洞への耐性から再評価されることになります。

この時期に多く見られたフューリーオブファイアもすぐに廃れることになりますが、ディノミスクスを採用し罠構成を変えるなどして環境に再び定着します。 

 

 ブロック予選(5月中旬~5月26日)

GWの連戦も終わり、いよいよブロック予選の調整に取り掛かります。

投了が存在しないというルールの都合上完全に別のゲームなのでデッキ選択は慎重に行う必要があります。

 

サンダードラゴンはそれなりに気に入っていたものの、ブロック予選に持っていく気はあまりありませんでした。

 サンダーで出たCSは5人チームと3人チームと2人チームが1回ずつの合計3回で、負けたマッチの内容が
・1本目:ガンドラワンキルされて負け 2本目:事故

・1本目:先攻フェイカーで負け 2本目:事故
・1本目:超雷雷神虚無で勝ち 2本目:超雷超雷雷神虚無で負け 3本目:超雷は出るものの後続がないハンドで普通に無限泡影から越えられて負け


といったもので、見ての通り負けの半分に事故が絡んでおり、4-0ないしは5-0が求められるブロック予選においてはどうしても不安が残るマッチ内容です。

2人チームは少し方式が特殊で正確に戦績を書き起こすのが難しいので割愛していますが、こちらもやはり事故が原因でシングルを落とすことが何度かありました。

 

まずブロック予選に求められているのが
・時間関係で不利になり辛いこと
・安定感があること
・対応力があること(魔鍾洞が割れること)
の3つだと思っていて、サンダーはこの中でも特に安定感という部分が大きく欠けていると感じました。
孤高除獣のようなカードを積み増すという手段もありますが、経験則としても2枚1セットで動く帝タイプのデッキはどこまでいっても事故が付き纏うものです。

またメインギミックがかなり枠を取るので魔鍾洞対策をメインから搭載できる枠が少なく、安定させるためのカードに多く枠を割くということは対応力という要素から乖離していくことにもなります。(少なくともサンダーにおいては)

そしてそのまた逆も然りです。

 

補足
対応力というと色々あると思いますが大まかな評価基準を書くと
・ 戦闘耐性、効果耐性モンスター 高打点モンスターへの解答
・ メタモンスターへの解答
・ メタ魔法・罠への解答
また解答の種類が多岐にわたるか?ギミック全体に小回りが効くか?メジャーなメタカードに耐性があるか?など

僕の中で対応力があるデッキというとパっと思いつくのがシャドール・真竜・魔術師の3つで これらのデッキが台頭していた時代は圧倒的に地雷デッキの類が少なかったんじゃないかなと思います。
サンダーは環境に採用されている致命的なメタが圧倒的に少なく、雷神龍がほぼ全てのカードに触ってくれるのでそれなりに対応力がある方かと思いますが、やや脳筋気味であったり魔鍾洞で硬直してしまうとメインギミックで突破することができない点で評価が低いです。

 

選考会では地雷デッキは圧倒的に少なく、また居たとしても早い段階でふるい落とされやすいですが、ブロック予選の段階ではどのタイミングで地雷デッキと当たってもおかしくないのでまずは丸いデッキを中心に候補を絞っていくことにしました。

そうしてまず候補に挙がったのが「転生炎獣」「閃刀姫」「オルターガイスト」の3つで、これに合わせて「オルフェゴール」と「サンダードラゴン」も一応候補としました。

 

幸いなことに滋賀県のブロック予選の進出者の大半が知り合いでデッキの予想が立てやすく、知り合いでないプレイヤーに関しても観戦していた方の話を伺えたりと情報に関してはかなり恵まれていた立ち位置に居たと思います。

特に今期はどのデッキを使用していたかに加えて”どのような行為をしていたか”も非常に重要な情報になります。「投了は拒否するのか?」「どのような手口で遅延をしてくるのか?」 盤外戦術に対する想定は怠らないに越したことはありません。

 

そこでわかった大まかなシェアは

閃刀姫・サンダードラゴン0人

オルターガイスト1人

転生炎獣2人

魔鍾洞2人

その他数人

後全員オルフェゴール(7、8人ぐらい)

 ※多重IDでプロモを獲りにきていたプレイヤーが何人かいたのですが本当にブロックに来るかわからなかったので数に入れていません。

 

見ての通りシェアが非常に偏っており、オルフェゴールに強く出れる構築が求められています。

ここでオルフェゴールはまず使用デッキ候補から外れました。イヴ型開拓以降のオルフェゴールは抹殺の指名者の登場も拍車をかけ非常にパワーの高いデッキです。しかしながらミラーの運ゲー化をどうしても免れないように感じました。

オルターガイストが1人ですが、オルフェが大量に居て環境的にも追い風なのに加えて

プレイヤーのレベル的にも勝ち上がってくると予想されたためオルターガイストに対するメタも外すことができません。そうなると多数派であるオルフェゴールと、当たる可能性が高いオルターガイストに不利なサンダードラゴンは選択肢から外しました。

同様にオルターミラーの経験が一切無い点を不安要素としオルターガイストも選択肢から外します。

となると転生炎獣と閃刀姫なのですが、使い慣れてるデッキの方が練習するのも構築を進めるのも効率が良いということで転生炎獣を選択しました。

 

さて、デッキは大方決まったものの悩みの種が一つありました。それは魔鍾洞を使っている内の1人でした。

店舗予選シーズンに「転生の予言をループして相手のデッキを戻しLOを封じて黄金天道虫のライフゲインで1本目で終わらせる奴が居るww」なんてツイートを見たことがありまして、(世の中にはとんでもない奴もいるもんだなぁ)なんてはっきり言って他人事ぐらいにしか考えていなかったのですが、まさかの滋賀ブロックの人間ということがブロック数週間前に判明しました。

勿論魔鍾洞を使っている人間が居て、うららのテキストを確認してくるぐらいの情報は把握していたのですが、聞けばどうやら各地で色々揉め事を起こしているらしく各地からどんどんエピソードが寄せられてきます。

これについては他の参加者と対魔鍾洞の練習会を行うなど徹底的な対策を行いましたが、何をやってくるかわからないなりふり構わない人間ほど怖いものは無いので最後まで不安要素の1つでした。

 

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そして最終的に持ち込んだのがこちらの構築です。

・メイン

構築自体はテンプレであり特筆すべき点は無いのですが、自由枠にあたる部分はオルフェゴールを意識し最大値メインから積める誘発を積む方針を取っています。

誘発に対する枠が割きたかったのもありますが、抹殺の指名者に関しては結論が出せておらず採用を見送っています。

 

・サイド

サンダードラゴンが居ないのもあってかなり思い切って構築できたのが幸いでした。ロンギヌスはかなり感触が良かったので早い段階で採用を決めましたが、操作を入れなくていい分γにも枠を作ることができました。

 

・エクストラ

バグースカが珍しい部類でしょうか。ヴァレルロードとの選択肢で悩んで、サンダーがおらずインフェルノイドがいるらしいとのことからこちらにしました。

結果的に想定外のところから2人目のインフェルノイドが現れバグースカが刺さり勝つことができました。

 

さて当日のシェアはというと、来なかった人が居たりインフェルノイドが増えたりと細かい変動はあったものの大方予想通りの結果になりました。

想定外のことがあったとすればオルフェゴールの全員が自分と反対側のトーナメントに固まったことです。これにより決勝以外の全てのラウンドでオルフェゴールミラーが発生しオルフェゴール同士が潰し合い続ける結果になっていました。

そして大会は

インフェルノイド〇〇

オルターガイスト〇〇

インフェルノイド〇〇

オルフェゴール〇〇

といった形でその日を終えることができました。シェア2のインフェルノイドと2回当たることになりましたが、まさかのブロック前に行ったフリーの半分ぐらいがにごうのインフェルノイドと行ったものだったのでプレイ面においても構築面においても調整が活き非常に運が良かったです。

ブロック予選の少し前辺りからデッキの相談や調整は主にしゃけねるとしていました。彼とはプレイや構築の細かい部分の意見が一切合わないものの転生炎獣環境の彼の高いアベレージが示す通り非常に信頼できる調整相手でした。

 

 ちなみに魔鍾洞はというと、セフィラのショウフクにより1回戦で粉砕されていました。

 

選考会

まず選考会で一番意識すべきは時間関係の問題で、お手玉されるデッキは絶対に使いたくないとは思っていました。

 

 ・補足

お手玉とは「波動キャノンを7000で射出する」「完全に盤面を制圧した後シルキタスとクンティエリで相手の自爆を徹底的に防ぐ」「ウィドウアンカーで自爆特攻を防ぎシズクでちまちまライフを取る」など、勝ち確の状況でゲームを引き延ばす行為のことをここでは指しています。
この行為の是非についてここでお気持ち表明しても仕方ないので書きませんが、とにかくこれらのデッキに対してメイン戦が不利なデッキを使ったり時間の使い方を間違えたりするとサイド後へいけない可能性が高いものとして考える必要があります。残念ながらこのゲームにおいて公式のジャッジをあてにしたプランニングほど不確かな物はないので、デッキ選択でまず自衛を試みるべきです。

 

 

 特に今期は2本目をできず負けたという方は非常に多いんじゃないでしょうか。

この大きな原因として考えられるのは、サブテラーの項目で前述した10期のテーマのメインギミックが強すぎるということに起因します。とどめを刺さずに多少ゲームを引き延ばすことにあまりにリスクが無いのです。

ファイアウォールドラゴンが消え、多くのデッキの初動が削られるなどここ数年を思うと非常にゲームスピードが落ちた環境でしたが、「実質勝ち」ギミックのほとんどがデッキの強みとして残っていたためそれがかえってこの問題を引き起こしたと考えています。

  各地のブロック予選の話を聞くにお手玉は各地で起こっており、投了不可というルールの欠陥は魔鍾洞に限った問題ではなくこのゲーム全体の問題として存在しているということをKONAMIには認識してほしいと思っています。

 

 

話が反れましたが、そんな中で自分が考えていた鉄板デッキは相変わらず転生炎獣・オルターガイスト・閃刀姫の3つ。自分の練度という点では転生炎獣かサンダードラゴンの2つでした。 

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扱えるのであれば閃刀姫は手堅い選択肢の1つでしょう。選考会ルールにおけるET・EDで最強格のデッキだからです。ハヤテやウィドウアンカーでライフを取り返しやすく、更にカイナの存在が威嚇の打ち合いという土俵に他のデッキが上がるハードルを非常に高くしています。

 

しかし閃刀姫もオルターガイストもこれまでの環境で何度か乗り換えを試みていたものの、自分はどうにもこの2つのデッキを扱うのが苦手で、気軽に相談できる人間にこれらのデッキの有識者がいなかったのもあって結局元のデッキに戻るということを繰り返していました。サンダードラゴンはブロック予選の項目で前述した通り選択肢としてはほとんど消えていたし、改訂が出た瞬間にエクストラを売却してしまったので消去法で転生炎獣を使用することを考えていました。

しかし転生炎獣を使用するにあたって問題が1つ。それはミラーに対しての有効なプランを自分が打ち出せていなかったことです。

はっきり言って転生ミラーは先後の差や引きの差が出やすく、相手の凡ミスに救われただけといった試合も少なくありません。しかしながら選考会という場で相手の凡ミスに期待するのは難しいと考えていたので別のデッキに逃げれるなら逃げたいというのが本音でした。

 

そんなことを考えていると、「はっちCS本の森杯」でエンディミオンが結果を残します。
実はADSで度々エンディミオンと対戦する機会があって、サンダーを使っても転生を使ってもエンディミオン側の先攻展開を普通に返せなかったりと実際あまり勝率が良くなかったのです。しかし、シェアの低さや認識の甘さが相まって「なんかうざい地雷デッキ」ぐらいの認識でしかなかったのですが、信頼しているプレイヤーの1人が結果を残したことにより興味を惹かれました。

  

エンディミオンについて

テキストが長すぎるので1からは説明しないのですが、ざっくり言うと

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魔法・罠無効にする(それと対象にとられないし効果で破壊されない)

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モンスター効果無効にして破壊する

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出てきたやつバウンス

 

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 後こいつで

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 こいつだしてバウンス(ジャッカルかエンディミオンだしてもいい)

 

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後手はこいつのスケール効果で盤面ぐちゃぐちゃにして殴るだけです。

 

なのでエンディミオンというと知的なイメージがあると思うのですが、実際のところは

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こうではなく

 

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 こんな感じです。

 

エンディミオンについて正しく理解して頂けたかと思いますので使用したレシピについて解説していきます。

 

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分類的にはごく一般的な純エンディミオンです。

まずこのデッキを使用した理由としては、結論から言えば閃刀姫・オルターガイスト・魔鍾洞の3つに圧倒的に有利なデッキだったからです。

創聖魔導王エンディミオンは魔力カウンターが置かれていると対象に取られず効果破壊されないため先攻においての優位性は勿論、後手においても幽鬼うさぎのような苦手なカードが採用されていなかった旧環境ではスケール効果が非常に通りやすく、ウィドウアンカーや無限泡影、神の通告に魔鍾洞などメジャーな罠の多くを無視し盤面を荒らすことができます。

更に電光雪花やレッドリブートのような効力の高いサイドカードを多く採用できるためイージーウィンが期待できます。

 

もくじを採用した理由としては勿論魔力カウンターを溜めやすいからなんですが、 まずこのデッキは今までのペンデュラムテーマと違って打てる魔法とペンデュラムモンスターが揃って初めてパワーを発揮します。

このデッキは残念ながら魔力カウンターを溜めるまでの過程に大きな強化が入らなかったので構築の課題は魔力カウンターをどのようにして溜めるかに一貫します。

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 サーヴァントオブエンディミオンは、このデッキにおける主な初動の一つです。先攻においても後攻においてもまずはこのカードから入りたいのですが、サーヴァント+成金ゴブリン+スケールでもまだ溜まりません。ドローソースを連鎖させたりフィールド魔法を発動したりと噛み合いが必要です。

しかしもくじであれば少ない枚数で初動を確定させられ、更に魔力カウンターに余裕ができやすいので創聖エンディミオンを通す補助としても良いカードです。

更にトゥーンサイバーが前面を削りつつカオスソルジャーになることができるのでもくじを採用したことにより後手が安定しやすくなっています。

 

トゥーンキングダムは先貼りした魔法都市エンディミオンと喧嘩することがあるのでトゥーンワールドのほうが良いこともあるのですが、キングダムを入れることによって盆回しが採用できるので強い魔法がデッキに1種類増やせるメリットを取りこちらを採用しています。

またエンプレスで送りつけたカードをバウンスし回収したりタイフーンをケアしたりなどの小ネタもあります。

 

・エクストラ

基本的にエクストラにはあまり触らないのですが一応使ったことがあるものを採用しています。その中でも登場頻度が高いのがエレクトラムとカオスソルジャーです。カオスソルジャーはメガフリートを変換するのに一番都合が良いです。

真紅眼の鋼炎竜とマジックテンペスターはETを意識した採択になっています。

マジックテンペスターはチューナーを素引きしていないと出せない上に場の魔力カウンターを全て取り払ってしまう都合上キングジャッカルの補助を受けれないのでリスクが大きいものの、魔導獣が絡むと盤面に魔力カウンターが10個以上溜まることはざらにあるのでその分のリターンは大きいカードです。


・不採用としたカードについて

 

妖精伝姫カグヤ

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最初に参考にしたレシピに入っていたので使ってみたものの最終的に抜けてしまいました。

下スケールであるエンプレスをサーチできますが、スケールをサーチしても魔力カウンターを溜めることに貢献し辛く、サーヴァントがある初手で浮いた札になりやすいです。

また,妨害が成立するかが不確定であり、妨害自体の効力もデッキによってはかなりムラがあるのも気になりました。

 

魔導書セット

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 先攻においては非常に欲しい1枚ですが、ヴェーラーや無限泡影に対してあからさまな的になってしまったりルドラの素引きがどうしようもない点で不採用としました。

またグリモのみだと召喚権が必要になるドローソースなので、電光雪花を入れたいと思っていた都合上そことも噛み合いませんでした。

 

 

 闇の誘惑

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闇の誘惑を採用する場合、トゥーンリボルバードラゴンを入れるつもりでした。

ルドラを入れない限り魔法使いである利点が少ないためレベル7(カオスソルジャーの素材になれるか)かどうかが評価基準です。

同属性同レベルのモンスターとしてトゥーンブラックマジシャンが存在しますが、こちらは不確定ではあるものの盤面に触る効果を持っています。

 その他の誘惑のコストとしてはエンディミオンやキングジャッカルなど、そのサーチカードを合わせると闇属性を大体13枚前後用意できますが、本来であれば場に送り出したいはずのエンディミオンとキングジャッカルをコストとしてはあまり切りたくないと思い、そこで無理なく誘惑のコストも賄いつつエンディミオンと噛み合うギミックを検討しだした頃にはもう時間が無かったので誘惑の採用は諦めました。

 

ちなみに当日の戦績は

 

オルターガイスト〇〇

オルフェゴール〇××

でした。

オルターガイストに創聖エンディミオンの暴力でマッチを6ターンで勝利しデッキの当たりを内心確信しますが、まさかの2回戦で王子さんと当たります。

事故や理不尽ではなく細かい構築のミスが響いたりプレイもやりようがあった負けなので余計に悔しい結果になってしまいました。

 

 

最後に

五等分の花嫁を読んでいない方は是非読んで欲しいです。

 

 

質問箱やってないので質問あればリプでください。

あと王子さんには頑張ってほしいです。